治験コーディネーター(CRC)の役割と仕事内容は?看護師から転職する魅力や悩みを解説

メモをとる看護師

治験コーディネーター(CRC)の役割

製薬メーカーが開発した薬を病院で使ってもらうためには、厚生労働省に認可してもらうことが必要です。そのためには、承認前の薬を患者や健康な人に投与することにより、安全性と有効性(効果)を確かめる必要があります。これを治験といいます。

治験コーディネーターや臨床開発モニターは、この治験をスムーズに行うために管理・調整役となることが役割です。

具体的には大きく分けて下記のような4つの役割があります。

(1)ボランティアとして参加する被験者のケア
(2)医師への支援
(3)製薬会社との対応
(4)上記三者の間の調整役としての全体のコーディネーション

この中で最も重要なのは4番目の「 上記三者の間の調整役としての全体のコーディネーション」です。

治験は製薬会社と医師、被験者によって成り立ちますが、治験が安全かつ円滑に進むためには、調整役として三者を調整する治験コーディネーターの役割は非常に大切です。

治験コーディネーター(CRC)の仕事内容

被験者のスクリーニング

プロトコル(治験実施計画書)の基準に合う方を探します。併用禁止薬を服用していないかなどの調査も行います。被験者を探す方法は医師からの紹介、病院のカルテ、新聞やネット広告などがあります。

被験者への説明

治験の目的や治験の方法、予測される治験薬の効果や副作用について説明します。治験に対して不安を抱える被験者の相談にのることも仕事です。

被験者のフォロー

被験者に服薬や検査のスケジュールを守ってもらえるように、被験者のフォローを行います。具体的にはスケジュール表の作成、服薬日誌の作成、患者の状態の記録、面談などがあります。

治験を実施するチームの調整

医師、薬剤師、臨床検査技師、放射線技師などとの打ち合わせを日々行い、治験がスムーズに進むように努めます。

モニタリング・監査への対応

「臨床開発モニター」は治験が予定通り進んでいるかをモニタリングする役割です。 臨床開発モニターがモニタリングしやすいように書類を準備したり、質問に応じたりします。

報告書などの資料作成


治験のデータを記録する症例報告書(CRF)などの資料を作成します。医師が作成した症例報告書(CRF)に間違いがないかもチェックします。最近ではコンピューターに入力する形式が増えています。

治験コーディネーター(CRC)の一日のスケジュール

8:45

オフィスに出社

・スケジュールの確認
・新着メールの確認

まずは勤務先のオフィスに出社し、新着メールを確認し、必要なものには返信します。プロジェクトによっては施設に直行することもあります。

10:00

事前準備

・他CRCとの情報交換
・必要物品の確認
・依頼者へのメール

患者さんとの面談の時間までに必要な物品の確認や他CRCとの情報交換をします。

12:00

施設への移動・昼食・面談の準備

・昼食
・施設への移動
・カルテのチェック
・治験薬の準備

患者さんとの面談時間の15分前までには医療機関に移動し、カルテのチェックや治験薬の準備をします。昼食は移動の間で食べるか施設の食堂などで食べます。

14:00

患者さん来院

・体調の変化や服薬状況の確認
・検査室で採血・採尿の付き添い
・医師の診察
・治験薬の服薬方法の指導
・次回来院の日時の設定


患者さんから体調の変化や服薬状況について面談します。検査室で採血・採尿をした後に、医師の診察があります。必要に応じてCRCから補足説明をします。 医師の診察後、再び被験者と面談し、服薬方法の指導や次回来院の日時を設定します。
15:00

診察終了後

・被験者ファイルや治験薬などの後片付け
・CRA(臨床開発モニター)へ被験者の状況を報告
・症例報告書の作成

診察終了後は被験者ファイルや治験薬などの後片付け をします。CRAが訪問しているときは被験者の状況を報告します。症例報告書も作成します。

16:00

医師やスタッフへの情報伝達

・本日業務の結果報告
・次回試験者の来院日の報告
・モニターからの伝達事項の報告
・次回訪問日の報告

医師と打ち合わせの時間を設定し、医師に伝える情報をここで報告します。医師は忙しいので手短に行います。

17:00

帰社

・新着メールの確認、報告
・本日来院した被験者の報告
・必要書類の作成
・作業日報の提出

オフィスに戻り、必要なメールに返信し、必要書類の準備、日報を提出して一日の仕事は終了です。

治験コーディネーター(CRC)に必要な5つの能力

患者の相談にのる看護師

1.高いコミュニケーション能力

治験コーディネーターに一番必要な能力はなにかと聞かれたら、まず最初に思いつくのがコミュニケーション能力です。

治験コーディネーターの仕事は医師との打ち合わせ、被験者との面談、CRAへの報告、治験スタッフへの連絡などのように、コミュニケーションが大切になる仕事が多くあります。

特に被験者との面談では被験者の不安に配慮し、言葉にできない気持ちを汲み取る繊細なコミュニケーション能力が求められます。

2.専門的な医療知識

治験コーディネーターは医師や製薬会社と専門的な会話をする必要があり、かつ治験実施計画書や患者のカルテを読解することが必要であるため、医療に関する専門的な知識は必須です。

医療は常に進化するため、日々勉強して最新の医療について理解していることが求められます。

3.集団の調整能力

治験コーディネーターには治験に関わるあらゆる関係者の調整役としての役割もあるため、異なる職種の人たちと上手にコミュニケーションをとりながら、治験が円滑に進むようにコーディネートしていくことが必要です。

ここには集団の調整能力や、自らが主体となって業務を遂行する能力が欠かせません。

4.パソコンを使った事務作業スキル

治験コーディネーターの仕事にはパソコンを使った事務作業が数多くあります。スケジュールの管理、資料の作成、メールでの連絡・調整、症例報告書の作成などがそれに当たります。

まずパソコンを使う能力は欠かせませんし、当然タイピング能力も必要です。エクセルを使ったデータ入力やパワーポイントを使った資料作成も行いますので、それらのソフトを使えることも必要です。

5.抜け漏れなく正確に業務を遂行する能力

治験コーディネーターの仕事は多岐に渡り、多くの関係者と連携しながら行います。

治験を円滑に進めるためには、抜け漏れなく正確に業務を遂行する能力が必要です。些細なことが治験の進行の妨げになるばかりではなく、治験そのものが失敗し、多くの関係者に迷惑をかけることになります。

「被験者に伝え忘れたことがある」「報告書に書くべきことを書いていなかった」「医師に伝えることを伝え忘れた」「治験データの入力を間違えた」ということは絶対に許されませんので、ミスをしないように事前に予防し、抜け漏れなく業務を正確に遂行する能力は必須になります。

治験コーディネーター(CRC)に向いてる人・向いてない人

笑顔の看護師

向いているひと

・コミュニケーションが得意なひと
・細かい事務作業が苦にならないひと
・パソコンでの作業が得意なひと

治験コーディネーターの仕事は医師との打ち合わせ、被験者との面談、CRAへの報告、治験スタッフへの連絡などのように、コミュニケーションが大切になる仕事が多くあります。治験関係者間の仕事調整や段取りを組むような仕事もあります。

よって、治験コーディネーターに向いているひとは、「コミュニケーション能力に自信があり、調整能力や段取り力高いひと」になります。例えば、忘年会の幹事や職員のイベントを仕切れるような、段取り上手なひとが治験コーディネーターには向いています。

また、治験コーディネーターの仕事にはパソコンを使った事務作業が多くありますので、こうした細々した事務作業を淡々とこなせるひとも向いています。

ただ、事務作業ができるというだけでなく、それを抜け漏れなく正確に行えることも重要なので、ずぼらなひとより、注意深い性格のひとのほうが適正があるといえます。

向いてないひと

・周囲と上手に連携しながら物事を進めるのが苦手なひと
・何時間もパソコンの前で仕事をするのは無理というひと
・患者さん第一で仕事してきたひと

治験コーディネーターは周囲と上手に連携しながら物事を進めることが必要です。

「自分からコミュニケーションとるのが苦手」「意見調整をするのが苦手」「飲み会の幹事はやりたくない」というひとはあまり治験コーディネーターに向いていませんし、仕事をしてもストレスが大きくなります。

また、治験コーディネーターの仕事の大半は事務作業になるので、細かいデータを入力するような作業や、抜け漏れなく正確な資料や報告書を作成するのが不得意なひとはやはり向いていません。

ちなみに、看護師から治験コーディネーターになったひとの退職理由で意外と多いのが、「患者さんのために働いているという感覚が得られない」という理由です。

治験コーディネーターの仕事は事務作業が多いので、「患者さんのため」という感覚を味わいにくく、やりがいを見出せないというのです。また、ビジネス的な色合いも強いので、「本当に患者さんのためになっているのか」と悩んでしまうひとも少なくありません。

治験の目的は病気の患者を救うためなのは間違いないのですが、病院のときよりもそこに関わっているという感覚が感じにくいのは事実のようです。「患者さんのため」という気持ちが強いひとは、治験コーディネーターには向いていないかもしれません。

治験コーディネーター(CRC)として働くメリットデメリット

笑顔の看護師

魅力とメリット

・残業が少なく、日勤のみで土日休み
・GWやお盆、年末年始などの大型連休に休みがとれる
・ビジネススキルが身に付く
・患者さんと接する機会が多い

治験コーディネーターで勤務するメリットは夜勤無しで日勤のみ、完全週休2日制、福利厚生などのような、病院勤務の看護師では得ることのできなかった勤務環境が当たり前のように保障されているという点です。

病院勤務だとシフト制になり、休日でも出勤しなければいけなかったり、大型連休にも連続した休みをとることは難しいものですが、一般企業であればほとんどカレンダー通りに休みをとることができます。

プライベートの時間がきっちりと確保できるのは大きなメリットでしょう。

また、ビジネスマナーやビジネススキルが身に付くというのもメリットの一つです。病院勤務だと外部の企業と接する機会は少ないですが、治験コーディネーターは製薬会社をはじめとする一般企業と日々接することになります。

必然的にビジネスマナーが身に付きますし、パソコンを使う機会も多いので、オフィスで必要になるビジネススキルも身に付きます。病院勤務だと身に付かないようなスキルが身に付くのは治験コーディネーターのメリットです。

看護師が一般企業で勤務するときの悩みどころは、「患者さんと接する機会が少なくなる」ことですが、治験コーディネーターは日々被験者の患者さんと接する機会があるので、その心配もいりません。

治験の終了後は「薬が効いた」「治験に参加してよかった」「あなたがいてくれてよかった」と感謝されることも多く、病院勤務のときのようなやりがいをもって仕事をすることができます。

悩みやデメリット

・病院勤務よりも給与は少なめ
・プロジェクトによっては勤務地が遠くなったり勤務時間がずれたりする
・事務作業が多くなる
・看護スキルを磨く事ができない

治験コーディネーターの基本給は病院勤務の看護師と変わりませんが、夜勤や残業が減るぶんだけ受け取る給与は少なめになります。前職で夜勤や残業が多かった看護師ほど、その減り幅も大きくなります。年収が80〜100万近く下がるひとも珍しくありません。

治験コーディネーターの仕事はプロジェクト単位で動きますが、プロジェクトによっては勤務先が遠くなったり、勤務時間が早まったり遅くなったりすることがあります。場合によっては通勤に1時間半以上かかるプロジェクトもあります。

治験コーディネーターは幅広い業務を担当することになりますが、仕事の大半は事務作業です。スケジュールの調整や治験データの入力、報告書の作成など、パソコンを使ったデスクワークが多くなります。

一日中イスに座って仕事するような日もあるので、デスクワークが苦手、パソコンが苦手というひとにとっては辛いかもしれません。

治験コーディネーターは原則、診療の補助(医療行為)をすることはありません。採血やドレナージ、褥創処置はもちろんのことバイタル測定も行いません。看護師としてのスキルは確実に落ちます。

治験コーディネーター(CRC)で転職を考えている方へ

治験コーディネーター(CRC)は職場によって給料や仕事のハードさ、人間関係などが全然違います。長く安心して働くためには、入職する前にしっかりと吟味して本当に働きやすい職場を見つけることが大事です。

そのためには転職サイトに登録し、プロのキャリアコンサルタントに相談しながら進めることが欠かせません。看護rooは好条件の求人が多く、キャリアコンサルタントの評判もよく、何より当サイトの利用者の口コミ評価が高くなっているので、転職を考えているならまずは会員登録して相談するのがおすすめです。もちろん完全無料です。

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